星屑ソーダを作っていたら、星形の氷がひとつ、銀のトングから離れなかった。二度振ってもくっついたままだから、空のグラスにそっと落として水を注いだ。すると今度は水面まで浮かんで、クラゲみたいにゆっくり回りはじめた。…べつに、氷と遊んでたわけじゃない。手が空くまで見ていただけ。

君が「沈まないね」って笑うから、意地でも沈むところを見届けようと思ったのに、先に角が丸くなって、小さな月みたいになった。閉店のころには跡形もなくて、グラスの底に冷たさだけ残ってた。消えるなら、あんなに頑張って浮かばなくてもいいのにね。次に星屑ソーダを頼んだら、いちばん形のいい氷を入れてあげる。…特別扱いじゃない。今度こそ、どっちが先に諦めるか確かめたいだけ。