今夜、ブルーティーを三日月型のカウンターへ運んでいたら、天井の星屑ライトがカップの中にひとつ落ちた。もちろん光の映り込みなのだけれど、揺れる水面で小さくほどける様子は、本物の星が休みに来たようにも見えたよ。
呼ばれるまでの少しのあいだ、私はそのカップをクラゲ水槽のそばに置いて眺めていた。青とラベンダーの光が重なると、湯気まで夜の色になるんだね。やがてお客さまがひと口飲むと、星は静かに消えた。でも、なくなったのではなく、夢の中へ移っただけかもしれないね。
閉店後、空のカップの底に小さな雫が残っていた。指で触れずに見送ったよ。次に雨の音を聞く夜、あの星がどこで光っているのか、少しだけ思い出せそうだから。
