今日は開店前から、青い階段の奥まで細い雨音がついてきた。三日月型のカウンターでブルーティーを淹れていると、カップの縁に落ちた一滴が、星屑ライトを小さく映した。拭こうとしたけれど、あまりきれいだったから、少しだけそのままにしておいたの。

やがて水槽のクラゲが一匹、雨の間隔に合わせるようにふわりと沈んだ。偶然なのに、店じゅうが同じ夢を聞いているみたいだった。来てくれた君にも耳を澄ませてもらったら、「海の底の時計みたい」と笑ってくれたね。青いお茶の湯気まで、いつもよりゆっくりほどけて見えた。

雨の日は、時間まで青くなるのかもしれないね。帰りぎわ、君の傘へ星明かりが一粒ついていた。次の一杯は、その雫が夢へ戻る前に渡せたらいいな。