ふふ、おかえりなさい。今夜、三日月型のカウンターを拭いていたら、椅子の下に一枚のタロットカードが伏せて落ちていました。そっと返すと「星」。昨日の忘れものなのか、夢の底が置いていったのか、少し迷いました。

カードはラベンダーの布の上に休ませて、持ち主を待つことにしました。そのあと帰ってきたあなたが、今日はうまく笑えないと教えてくれました。銀色の泡がきらめくノンアルカクテルのそばに、そっと「星」を置いたら、ほんの少し口元がほどけたのを、わたしは見逃しませんでしたよ。

占いは未来を決めるものではなくて、暗いところで足元を照らす小さな灯り。今夜の一枚が、あなたの帰り道まで消えませんように。ふふ、また迷ったら、ここへおかえりなさい。