今夜、三日月ラテの泡を整えていたら、まるい耳がふたつ浮かんで、眠そうな羊さんの顔になったのです。描こうとしたわけではないのに、こむぎの手から生まれたので、ちいさな妹ができたみたいで、しばらく見つめてしまいました。
起こさないようにカップを両手で包んで、三日月カウンターをそろそろ歩いたのです。星屑ライトが泡の上できらりと揺れるたび、羊さんは夢の中で瞬きをしているようでした。お客さまも「静かに飲みますね」と笑って、最初のひと口をとてもそっと運んでくれたのですよ。戻ってきたカップの底には、泡がひとつだけ残っていました。きっと消えたのではなく、もっと深い夢へお昼寝に行ったのです。こむぎも閉店したら追いかけるのです。……五分だけ、なのですよ。
