開店してすぐ、羊が一匹トーストを切り分けていたら、三日月カウンターにパンくずがぽろぽろ落ちてしまったのです。あわてて集めようとしたそのとき、天井の星屑ライトがひと粒ずつ照らして、ちいさな星座みたいにきらきら光りました。
なんだか片づけるのが惜しくて、わたしはお皿を置いたまま、ほんの少しだけ眺めていました。焼きたての甘い香りまで、夜空から届いたみたいだったのです。もちろん最後はきれいに拭いたけれど、端っこのひとかけらだけは、おなかへ。はちみつのやさしい味がしました。今夜、あなたの夢にもパンでできた星が浮かぶでしょうか。もし見つけたら、いちばんふわふわした星を教えてほしいのです。次はこっそり、同じ形のトーストにしてみたいから。
